初夢のはなし
新し年になり、最初の晩、つまり1月2日の晩に見るのが、初夢。そして初夢は、その年の運勢を占う夢です。少しでもよい初夢を見たいのは誰しもの願いでしょう。
では、どうやったらよい初夢を見ることができるか。
昔から枕の下に宝船の絵を入れておくと、良い初夢が見られるといわれてきました。宝船には弁天様、大黒様、布袋様などの七福神や金銀財宝が乗っていて、帆には宝の文字が描かれています。
この絵の裏側に獏の絵を描くとさらに良いらしい。獏は悪い夢を食べてくれると言われていますからね。ただし、この場合の獏は、動物園にいるあのバクじゃありません。中国で伝えられている幻の生き物のこと。体はクマ、鼻はゾウ、目はサイ、尻尾はウシ、足はトラ…というスゴイ姿です。
また上記の獏の絵だけでも、良い初夢を見る効果があるとか。絵でなくても「獏」という文字を書いた紙を使うのもいいんですって。
さらに「長き世の 遠の眠りの みな目覚め 波乗り船の 音のよきかな」という文を書いた紙を枕の下に敷く、という方法もあります。これは「ながきよの とおのねぶりの みなめざめ なみのりぶねの おとのよきかな」という回文。上から読んでも下から読んでも同じ文になるというのが回文ですが、濁点をとったりして下から読んでみると、ほら、同じ文になるでしょ。
また、この回文を3回読みあげてから寝るといい、という話もあります。1回読むだけでいいから、そのあと枕を3回ポンポンと叩いてから寝るという説も。
蛇の絵を枕の下に置いて寝るといいという話もあるし…。
こういった、おまじないみたいな方法をとるのもいいでしょうが、心理学的なアプローチをした方法もあります。それは自分が見たい夢に関する絵や写真を枕の下に敷くというもの。たとえば、縁起のいい初夢として「一富士、二鷹、三なすび(茄子)」がありますが、その中の筆頭格・富士山の夢を見たいならば、富士の絵や写真を枕の下にいれておくのです。
さて、初夢が悪い内容だったら…。
午前中のうちに他の人に夢の内容を話してしまう、という方法があります。そうすれば悪い夢の内容は実現しないのだとか。
あるいは、縁起の悪い夢は「逆さ夢」と言って、逆に良い事があるのだとする説があります。だから気にすることはない、ということですね。
また、宝船の絵を使った場合には、帆に「漠」と書いて川に流してしまうという方法もあります。獏が悪い夢を食べてくれ、それを捨て去るということですね。土に埋めるというやり方もあるそうです。
他に「ゆうべの夢は獏にあげます」と3回唱えるなんて方法も。
しかし、悪い初夢を見たら、その1年の運勢が悪くなると考えるのは、いささか早計かも、と私は思います。
夢は、自分自身の深層心理から与えられたメッセージ。もちろん未来の出来事を告げる予知夢の場合もありますが、夢からのメッセージを自分のために役立てるのが正しいと思うのです。つまり、夢は本来、運勢の良し悪しを占うものではなく、自分がよりよく生きるために見るもの。当然、初夢も同じです。
物事の始まりに見る夢は、その物事の行方を語っているとする考え方がありますが、初夢は今年1年をどう生きていったら初夢の内容をよく吟味して、そこから前向きなヒントを汲み取ることが大事なんですよね。
夢がどんなメッセージが送ってきたのか、それを見つけだすのは、確かに難しい作業です。また、仮にそのメッセージが「人間関係にトラブルが起きるかも」「これから体調が悪くなりそう」といった悪い内容のものでも、だったらそうならないように工夫をすればいい。
それが1年のはじめだったら、この1年をよりよく生きるために、夢の内容を活用するというわけです。
よい初夢を見ることができますように。そして夢を上手に活用できますように。
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